こんにちは!nagaです!
今回はROE(自己資本利益率)について解説したいと思います!
ROEは「Return On Equity」の頭文字をとったものです。
日本語だと「自己資本利益率」といいます。
Returnは「利益」Equityは「自己資本」です。
ROEの計算式
ROEは下記のように計算します。
ROE(%)=当期純利益(円)÷自己資本(円)×100
当期純利益は損益計算書の項目です。
当期純利益について、詳しくはこちらの記事をご参照ください。
自己資本は、
純資産(企業が保有する資産から負債を引いたもの)と考えていただいて差支えありません。
純資産は損益計算書の項目です。
詳しくはこちらの記事をご参照ください。

厳密には自己資本とは、
純資産からさらに「新株予約権」「非支配株主持分」を引いたものです。
ROE計算の具体例
具体的な例でみていきましょう。
当期純利益が100億円、自己資本が1000億円なら100億円÷1000億円×100でROEは10%です。
ROEの意味するところとは
ROEは当期純利益を自己資本で割って求めることから、
「企業が、自己資本を使ってどれだけの利益を稼ぐことができたか(自己資本に対する収益性)」を表しています。
企業は下記の2つの手段で資金を調達し、その資金を活用して事業を行い利益を稼ぎ出します。
①株式を発行し株主から資金を得る。(自己資本)
②社債を発行し債権者から資金を得る。銀行からの借り入れで資金を得る。(負債)
自己資本は①により調達された資金がもとになります。
そのため、ROEは、
「企業が、株主が投資した金額を使ってどれだけの利益を稼ぐことができたか(株主が投資した金額に対する収益性)」を表しているともいえます。
株主は自分が投資した金額を効率的に使って利益をあげてほしいと願います。
そのため投資家からはROEが注目されるのです!
一般にROEが10%以上の企業は優良とされています。
ROEの注意点
ROEにも注意点があります。
企業の資金の調達手段をあらためてみてみましょう。
下記の2つでした。
①株式を発行し株主から資金を得る。(自己資本)
②社債を発行し債権者から資金を得る。銀行からの借り入れで資金を得る。(負債)
ROEは、自己資本である①と当期純利益の比率でした。
現実には、企業は①だけでなく②の資金も使って、事業を行い利益を稼ぎ出しています。
②は返済の義務がある負債です。
ROEの計算には負債(②)が含まれていません。
下記の2つの企業を考えてみましょう。
A社
当期純利益:100億円
自己資本:1000億円
負債:0円
B社
当期純利益:100億円
自己資本1000億円
負債:1000億円
A社もB社も当期純利益は100億円で同じです。
この当期純利益100億円を稼ぎ出すための元手となった資金を見てみましょう。
A社は、自己資本の1000億円だけです。
B社は、自己資本の1000億円と負債の1000億円の
合計2000億円です。
A社は、1000億円で100億円の利益を出せていて、
B社は、2000億円で100億円の利益しか出せていないため、
A社の方が収益性が高いといえます。
ここで、
A社とB社のROEを比べてみるとどちらも、
当期純利益100億円÷自己資本1000億円×100=10%です。
A社の方が収益性が高いのにROEは同じとなってしまっています。
これはROEが負債を考慮しないためです。
自己資本だけでなく負債も含めた指標としてROA(総資産利益率)があります。
ROA(総資産利益率)についてはこちらの記事をご参照ください!
さいごに
いかがでしたでしょうか?
今回はROEについてご紹介しました。
ROEを使って企業の収益性を測ることができます。
ROEは自己資本だけで計算しており、
負債を考慮しないという注意点がありました。
次回は負債も計算に含めて収益性を測る指標であるROA(総資産利益率)について解説させていただきます!
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