【日本の子どもの読解力が急落!?】OECD 生徒の学習到達度調査(PISA)の読解力問題例を解いてみました!

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2019年12月3日、OECD(経済協力開発機構)によるPISAという学力調査の結果が公表され、日本の子どもの読解力が8位から15位に急落したことが大きく報道されました。

読書離れによる長文に触れる機会の減少、
SNSの普及によるコミュニケーションの短文化などが原因では?といわれていますが
そもそも「読解力」ってなんだろうと思いませんでしたか?

「読解力」とは何なのか…?
国立教育政策研究所(NIER)のホームページで問題例が掲載されていましたので実際に問題を解いてみました!

問題例はこちらです。
https://www.nier.go.jp/kokusai/pisa/pdf/2018/04_example.pdf
問1~問7の7問あります。順にみてみましょう。

問題の前に「はじめに」と題された文章が示されます。
問題の前提に関する情報のようです。
何かヒントが記載されているのでしょうか?軽く一読して次に進みます。

問1

問1です。
左側に問題文が示されています。
右側に表示されているブログの文章から正解を探してみましょう。



解けましたでしょうか?
選択肢について順に見ていきましょう。

・1990年代
ブログに下記記載があります。

1990年代に考古学者とラパヌイ島の住人からなるチームが、~を実演しました。

主語が「考古学者とラパヌイ島の住人からなるチームが」となっているのでこの選択肢は不適切でしょう。

・九か月前
ブログに下記記載があります。

私はすでにフィールドワークを終え、間もなく家に帰ります。今日の午後は丘へ散歩に出て、この九か月間調査してきたモアイ像とお別れをしようと思います。

九か月間調査してきたのであれば、
教授が調査を開始したのは九か月前ということになります。
この選択肢が適切なようです。

・一年前
ブログには「一年前」に関する記載は見当たりませんでした。ブログに記載がないのでこの選択肢は不適切でしょう。

・五月の始め
ブログの投稿日が「5月23日」なので不正解とは言い切れないのですが、ブログに根拠の記載がないのでこの選択肢は不適切でしょう。


では正解を見てみます。

正解は「九か月前」です。

みなさんは正解できましたでしょうか?

問2

問2です。
左側に問題文が示されています。
右側に表示されているブログの文章は問1と同じですね。
記述問題です。解答欄の大きさから、そこまで長文で解答する必要はなさそうです。



解答できましたでしょうか?

私は下記のように解答しました。
「モアイ像を運ぶために使われた植物や大木がどうなったのか?」

採点基準は、
「(モアイ)像を運ぶために使われた道具が消えたことに言及している答え。 」
とのことです。

モアイ像を植物や大木で作った道具で運んでいたとしたら、
今現在、その道具の痕跡や、大木が生えていないのは確かに謎ですね。

問3

問3です。
右側の文章から抜粋された5つの項目を「事実」か「意見」かに振り分ける問題ですね。

順にみていきましょう。

本書には、自らの選択とそれが環境に与えた影響によって崩壊したいくつかの文明について書かれている。

「書かれている」という事実について述べているのでこれは「事実」でしょう。

中でも最も気がかりな例が、ラパヌイ族である。

「気がかりな」とあり、これは主観的な要素なので「意見」に分類されるのではないでしょうか。

彼らは有名なモアイ像を彫り、身近にあった天然資源を使ってその巨大なモアイ像を島のあちこちに運んでいた。

「運んでいた」という事実について述べているのでこれは「事実」でしょう。

1722年にヨーロッパ人が初めてラパヌイ島に上陸した時、モアイ像は残っていたが、森は消滅していた。

「消滅していた」という事実について述べているのでこれも「事実」でしょう。

本書は内容がよくまとまっており、環境問題を心配する方にはぜひ読んでいただきたい一冊である。

「よくまとまっており」「読んでいただきたい」というのは「事実」ではなく「意見」ですね。


正解を見てみましょう。
正解は上から「事実」「意見」「事実」「事実」「意見」です。

みなさんは正解できましたでしょうか。

問4

問4です。
選択肢について順に見ていきましょう。

・人類は数百年前にラパヌイ島に移住した。
「18世紀にヨーロッパ人がその島に初めて上陸した時には…」とありますが「移住した」との記載はありません。本文中に詳細な記載がないためこの選択肢は不適切でしょう。

・ラパヌイ島にあった大木が消滅した。
「科学者たちは、18世紀にヨーロッパ人がその島に初めて上陸した時には巨木が消滅した点については同意しましたが、…」とあります。
そのためこの選択肢が適切でしょう。

・ナンヨウネズミがラパヌイ島の大木の種を食べた。
「二人の科学者カール・リポ氏とテリー・ハント氏による新しい説が発表されました。彼らはナンヨウネズミが木の種を食べたために、…」とあります。
これはリポ氏とハント氏だけの説なので不適切ですね。

・18世紀にヨーロッパ人がラパヌイ島に上陸した。
「科学者たちは、18世紀にヨーロッパ人がその島に初めて上陸した時には巨木が消滅した点については同意しましたが、…」とあります。 よってこの選択肢も適切なように思えるのですが「巨木が消滅した点」について同意したことに重きがおかれているので2つ目の選択肢の方が適切となり、消去法でこの選択肢は不適切となります。


正解は 「ラパヌイ島にあった大木が消滅した。」でした。

問5

問5です。
右側に表示されている文章は問4と同じですね。

「ラパヌイ島の大木が消滅した理由の根拠」について問われています。

まず「ラパヌイ島の大木が消滅した理由」について考えてみます。

「彼らはナンヨウネズミが木の種を食べたために、新しい気が育たなかったと考えています。」とあります。よって「ナンヨウネズミが木の種を食べたため」がラパヌイ島の大木が消滅した理由であると読み取れます。

では 「ラパヌイ島の大木が消滅した理由」 =「ナンヨウネズミが木の種を食べたため」の「根拠」となっているかどうかを考えながら選択肢を順にみていきましょう。

・ネズミが移住者のカヌーに乗って上陸したこと
ネズミがカヌーに乗って上陸したからといって、
木の種を食べたかどうかはわかりません。よってこの選択肢は不適切です。

・ネズミは移住者が意図的に連れてきたかもしれないこと
ネズミが移住者によって意図的に連れてこられたかといって、
木の種を食べたかどうかはわかりません。よってこの選択肢は不適切です。

・ネズミの数が47日間で二倍に増えること
ネズミの数が短期間で急激に増えるかといって、
木の種を食べたかどうかはわかりません。よってこの選択肢は不正解です。

・ヤシの実の残骸にネズミがかじった跡が残っていること
ネズミがかじった跡が残っているということは、
ネズミが木の種を食べていたということがいえそうです。その他の選択肢は不適切なのでこの選択肢が適切でしょう。


正解は
「ヤシの実の残骸にネズミがかじった跡が残っていること」 でした。

問6

問6です。
空白になっている「原因」欄(2つ)と「結果」欄を、6つのパネルのうちいずれかで埋める問題ですね。


まず「結果」欄について考えてみます。
提唱者欄は
「ジャレド・ダイアモンド」と「カール・リポとテリー・ハント」の2つに分かれていますが、
「結果」欄は一つだけなので、両提唱者間で「結果」については一致していることがわかります。
問4より「ラパヌイ島にあった大木が消滅した。」 が両提唱者間で同意している点でした。
よって「結果」欄には 「ラパヌイ島にあった大木が消滅した。」 のパネルを当てはめればよさそうです。

次に提唱者 「ジャレド・ダイアモンド」(上) 側の 「原因」欄について考えてみます。 「ジャレド・ダイアモンド」 の考え方は問3の書評『文明崩壊』に示されていました。そこには「ラパヌイ族の人々は耕作やその他の目的のために土地を切り開き、…」とあります。
よって上側の「原因」欄には「人間は耕作やその他の理由のために木を切って土地を切り開いた。」のパネルを当てはめればよさそうです。

最後に提唱者 「カール・リポとテリー・ハント」 (下)側の「原因」欄について考えてみます。
問5より 「カール・リポとテリー・ハント」 は
「ラパヌイ島の大木が消滅した理由」 は「ナンヨウネズミが木の種を食べたため」 と考えていることがわかります。
よって下側の「原因」欄には「ナンヨウネズミが木の種を食べ、その結果新しい木が育たなかった。」のパネルを当てはめればよさそうです。

正答は,「ジャレド・ダイアモンド」の原因に「人間は耕作やその他の理由のために木を 切って土地を切り開いた。」,「カール・リポとテリー・ハント」の原因に「ナンヨウネズミが木 の種を食べ,その結果新しい木が育たなかった。」,両者に共通する結果に「ラパヌイ島にあった 大木が消滅した。」 でした。

問7

問7です。
自由記述の問題ですね。
かといって完全に自由に記載してよいというのではなく
「資料から根拠となる情報を挙げて」とあることから資料にないことを記載するのは不適切なようです。
「ジャレド・ダイアモンド」 の見解を書くか、
「カール・リポとテリー・ハント」 の見解を書くか、
両者の複合説を書くとよいのかなと思いました。

私は下記のように記載しました。
「人間が耕作やその他の目的のために木を切り倒したことと、
それと同時に大量に増殖したネズミが木の種を食べたこと」

正解の基準は下記とのことです。
次のうち、一つ以上を述べている。
1. 人々はモアイ像を動かすために大きな木を切り倒しまたは利用し,かつ/または耕作のために土地を切り開いた 。
2.ネズミが木の種を食べたために新しい木が育たなかった。
3.実際に巨木に何が起こったかについては,更に研究を進めなければ分からない。

3.の「研究を進めなければ分からない」でも正解のようですね。


みなさんは正解できましたでしょうか?

さいごに

今回は「生徒の学習到達度調査(PISA)」の読解力問題例を解いてみました。

問題を解いてみて思ったことは、
問題文・資料のどこかに答えの根拠が記載されているということです。
その根拠を探す力がPISAの「読解力」というものなのかなと思いました。

「読解力」というととても抽象的ですが具体的にはこういった問題で測定をしていたのですね。
確かにこういった問題を繰り返し解いていけば「読解力」が身に付きそうです。
みなさんもチャレンジしてみてはいかがでしょうか?

ちなみにですが…
読解力の向上に役立ったなぁと思った書籍を紹介させていただきます。
下記の書籍を受験生の時(高校3年生の時)に読んでました。
漫画形式で気軽に読める (ですが内容は深いです) のでお勧めです。
この本だけで勉強したわけではないですが…センター試験の国語で高得点を取ることができましたので役に立ったと思います!

 

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