エンベデッドシステムスペシャリスト試験の答案のコピーを開示してもらいました

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こんにちは!

2024年(令和6年)秋期のIエンベデッドシステムスペシャリスト試験の午後Ⅱ(論文)の答案のコピーを開示してもらいました。これから受験されるかたの参考になればと思い、記しておきたいと思います。
問1を選択しA評価で、合格できたものになります。

開示請求の方法はこちらのサイト様が詳しいので参考にしていただけたらと思います。

目次(クリックで飛べます)

午後Ⅱ 問1

問題文

吸入時の環境情報記録機能を持つ呼吸器疾患向け薬剤吸入器

1 組込みシステム製品の用途及び技術的特徴を踏まえた概要、その製品の生産形態において内製・委託側・受託側のいずれの立場であったか

1.1 組込みシステム製品の用途及び技術的特徴を踏まえた概要
 論述の対象となる組込み製品は喘息などの呼吸器疾患向けの薬剤吸入器である。薬剤吸入器の製造販売を行うA社では国内の人口減少の影響や、呼吸器そのものの機能については公的な基準が定められていることから競合他社と差別化しずらいといった理由から、ここ数年シェアが伸びなやんでおり、この状況を打破するための製品企画として、薬剤吸入時の時刻、位置情報、温度湿度などの環境情報を自動記録機能を持つ吸入器を開発することとなった。患者は当該情報をスマートフォンのアプリで参照することができ薬剤の吸入し忘れの確認や発作がおこりやすい環境への立ち入りをひかえるなどの日常生活上の対処ができる。技術的特徴としては、温度・湿度などの環境情報を取得するためのセンサーを製品に組み入れる必要があるということである。また呼吸器疾患を有する患者向けの製品であることから、一般消費者向けの製品以上の品質が求められる。

1.2 製品の生産形態において内製・委託側・受託側のいずれの立場であったか
 製品の生産形態は温度・湿度などの環境情報を取得するセンサーの機能についてセンサー装置メーカーのB社に委託し、それ以外の部分については内製とすることとなった。上記判断に至った理由等については後の章で詳しく述べる。私はA社のプロダクトマネージャとして本製品の企画を行った。

2 設問アで答えた生産形態とした理由、生産形態のメリットの内容、生産形態を遂行する上でのリスクなどの課題とその解決策

2.1 設問アで答えた生産形態とした理由とメリット
 生産形態を検討する上で重要と考えた点は実現可能性と品質とコストである。私は製品の企画に当たり経営陣と協議しA社の売上の向上と患者満足の向上が本企画の目的であることの認識を一致させた。その上で実現可能性が低ければ製品として世に出すことができない、品質が悪ければ患者満足が得られない、コストが高いと採算が合わず売上向上の目的を達成できないことが上記点を重要と考えた理由である。A社の特徴として呼吸器の製造を低コスト高品質で行えるという強みをもつが、センサーの機能についてはノウハウを持たない。本製品の環境情報を取得するセンサーを内製するとなると新規の設備投資が必要となり多くのコストがかかることが試算の結果分かり、またノウハウを持たないことから実現可能性も不透明で内製を行うことはリスクが大であると判断した。このことがセンサー部分を外部委託とすることとした理由である。メリットとしては設備投資を行わなくて済みコストを抑えられる点で専門メーカに委託することによる実現可能性の向上である。

2.2 生産形態を遂行する上でのリスクなどの課題とその解決策
 センサー部分を外部委託する上での課題は、品質の担保であった。高品質が求められる本製品においては委託先に委託する部分についてもしっかりと品質を担保する必要がある。その解決策として委託先の選定における基準と製品製造段階における受入基準を明確にすることとした。具体的には、委託先候補の製品実績、財務安定性、市場評価などをスコアリングして総合的な視点から選定を行うこととし、製品製造段階における受入基準についても同様に具体化し、契約時に同意を得ることとした。結果、B社を選定することとした。B社は高品質のセンサーを製造することができるという特徴を持っている。

3 設問イで答えた生産形態とした理由の妥当性、分析したメリットの評価、リスクなどの課題に対する解決策の評価、生産形態に対する今後の展望

3.1 設問イで答えた生産形態とした理由の妥当性、分析したメリットの評価
 B社の協力もあり製品を市場に投入することができた。品質に関しても問題なく実現でき、コストに関しても想定の数値となった。このことからセンサー部分をB社に外部委託するという判断は結果としても妥当であった。企画段階において経営陣に説明をした際にも内製した場合の実現可能性とコスト、外部委託した場合の実現可能性とコストとを示すことで妥当であるという評価をいただくことができた。

3.2 リスクなどの課題に対する解説策の評価
 品質の担保についての課題についての解決策の評価としても選定基準の明確化により担保できると経営陣から評価を頂くことができた。一部の経営陣からは社運を左右する製品であるからもう一歩ふみこんでみてほしいという意見をいただいた。そこで最終選定に残った3社について私自身が会社訪問させていただいて製造の現場の様子や経営トップへのヒアリングをさせていただくこととした。

3.3 生産形態に対する今後の展望について
 今回の製品企画を通じてセンサー製造に強みをもつB社と関係をもつことができた。品質に関して非常に高い意識を持つ経営トップのもと運営されている会社であり医療系の製品を製造するA社のパートナーとして適している。そのため今後他の製品を企画する際も効果的に協業していきたいと考えている。
                                                 ー以上ー

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この記事を書いた人

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