ITサービスマネージャ試験の答案のコピーを開示してもらいました

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こんにちは!

2024年(令和6年)春期のITサービスマネージャ試験の午後Ⅱ(論文)の答案のコピーを開示してもらいました。これから受験されるかたの参考になればと思い、記しておきたいと思います。
問1を選択しA評価で、合格できたものになります。

開示請求の方法はこちらのサイト様が詳しいので参考にしていただけたらと思います。

目次(クリックで飛べます)

午後Ⅱ 問1

問題文

医療機関向けの医療情報システムのサービス

1 ITサービスの概要と、既存の変更管理プロセスに影響を与えた環境の変化の内容

1.1 ITサービスの概要
 論述の対象は医療機関向け医療情報システムのサービスである。私は医療機関向けに医療情報システムの開発・販売・保守を行っているA社のITサービスマネージャであり本サービスの提供に責任をもつ。A社は全国に多くの医療機関顧客をもちA社の医療情報システムはそれぞれの顧客の運用に合わせたオプション設定の機能を多数有している。

1.2 既存の変更管理プロセスに影響を与えた環境変化の内容
 A社のメインの顧客である中・大規模医療機関においては医療情報システムの導入率が80%を超え競争が激化している。医療機関からは、コスト削減のための運用の効率化などのため、A社が提供する医療情報システムのサービス改善のための変更要求が近年増加しているがその要求に対して十分にこたえることができずに顧客満足度が低下して顧客が他社に乗り換えてしまう事例も生じている。顧客をつなぎとめるためにも、展開を行う回数を増加させる必要が出てきたということが既存の変更管理プロセスに影響を与えた環境変化の内容である。ただし医療情報をあつかうというシステムの特性から必要な統制は確保する必要がある。

2 変更管理プロセスに生じた問題点、問題を解決するために実施した変更管理プロセスの改善策

2.1 変更管理プロセスに生じた問題点
 既存の変更管理プロセスは顧客からの問い合わせや相談を受け付けるサービスデスクなどから変更要求を受け付けると当該顧客を担当する保守チームの要員が、既存のシステムの設定変更で対応可能な要求か、システム対応が必要な要求か、変更を実施した場合の影響、効果を必要に応じてシステム開発部に問い合わせるなどして情報収集しておき、月に1回開催される変更諮問委員会(以下、CABという)にて検討し承認を得て変更を実行するというものであった。このプロセスについて顧客からの変更要求に迅速に対応しなければならないという環境変化に対応するための障害となっている以下の問題点を洗い出した。
・簡易な設定変更であっても変更の承認を得るのに時間がかかってしまう
・CABの場にて情報収集した内容の説明を行い議論するため1案件の判断に時間がかかり承認が滞る

2.2 問題を解決するために実施した変更管理プロセスの改善策
 私は上記の問題点を解決するための改善策を保守チームの要員、システム開発部の代表者、CABのメンバ(システム保守部の責任者)と相談の上、以下のとおり策定した。相談をしたのは、みなが納得し、実行可能な策としなければ改善の効果をえることができないと考えたからである。
・設定変更承認済一覧表を作成する
簡易な設定変更であっても対応に時間がかかってしまう問題の解決のため、1度他の顧客において設定変更が承認済で他の顧客においても同様の変更をしても問題ないと判断された設定について、標準変更としてCABを経ずに変更可能とした。そのかわり必要な統制の確保のため、CABで検討を行う際に他顧客にも適用可能か(一覧表に載せてよいか)が必ず検討されるように検討観点表に明記するようにした。
・事前確認票を作成する
CABの場で内容説明等を行うことによって時間がかかる問題点についてCABの一週間前に事前に情報収集結果をCABメンバにメール送信し、CABメンバは確認したい内容があればCABの2営業日前までに確認票に記載をするという運用とした。情報収集担当者はCABの開催までに確認票の内容を確認し追加の情報収集が必要であれば行っておくことで次回もちこしとなることも防止できる(内容を事前に共有しておくことで当日の時間短縮を図ることの他に)。

3 改善策の評価と課題

3.1 改善策の評価
 以上の改善策の実施後に改善策の評価を実施した。変更要求の承認が迅速に必要な統制を確保しつつ行えているのか、サービスの品質に影響を与えてしまっていないかを評価し、課題があればさらなる改善に取り組んでいくことが重要と考えたからである。CABへの参加、情報収集にあたる要員へのヒアリング、顧客へのヒアリングを通じて評価を行った。特に変更要求の発生が多かった上位3つの顧客にヒアリングを行ったところ明らかに対応がはやくなって満足しているという声をいただくことができた。必要な統制が確保できているかという観点からはCABへの参加を通じて承認済一覧表に載せるかどうかの検討が適切に行えていることを確認した。また定量的に評価することが重要と考え、変更によるインシデント発生率が改善策の実施前の0.7%から実施後は0.6%と悪化していないことを確認した。変更対応の速度についても発生から完了までが平均30日かかっていたのが18日と改善したことを確認した。以上から私は改善策の評価を良い評価としている。

3.2 課題
 しかし課題はまだ残されている。それは承認済一覧表に記載される内容が多くなり、検索性が悪化してきたという点である。その結果、承認済一覧表に記載があるにもかかわらずCABに上げてしまう事例もあった。そのため、CABの前に簡易レビューを行ってそのような案件をはじいたりするなどのさらなる改善を検討していきたい。
                                                 ー以上ー

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この記事を書いた人

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