2023年4月より基本情報技術者試験が変更されます。
基本情報技術者試験の受験を考えている方で、どのように変更されるのか気になっている方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、基本情報技術者試験の変更内容を紹介します!
こんな人にオススメ
- 基本情報技術者試験の変更内容を知りたい
- 難易度がどう変わるか知りたい
- 基本情報技術者試験の変更内容
- 難易度はどう変わる?
ぜひ見ていって下さい!
この記事のまとめはこちら
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
実施 時期 | 下期と上期の 年2回 | 通年 |
試験の形式 | CBT | 変更なし |
試験 の構成 | 午前試験と 午後試験の 構成 | 変更なし |
午前 試験の 名称 | 午前試験 | A試験 |
午前 試験の 時間 | 150分 | 90分 |
午前 試験の 問題数 | 80問 | 60問 |
午前 試験の 1問あたりの 時間 | 1分50秒 | 1分30秒 |
午前 試験の出題 範囲 | ー | 変更なし |
午後 試験の 名称 | 午後試験 | B試験 |
午後 試験の 時間 | 150分 | 100分 |
午後 試験の 問題数 | 5問 | 20問 |
午後 試験の 1問あたりの 時間 | 30分 | 5分 |
午後 試験の 出題 範囲 | ・情報セキュリティ ・ソフトウェア、ハードウェア ・データベース ・ネットワーク ・ソフトウェア設計 ・プロジェクトマネジメント ・サービスマネジメント ・システム戦略 ・経営戦略、企業と法務 ・データ構造及びアルゴリズム ・ソフトウェア開発 | ・情報セキュリティ ・アルゴリズムとプログラミング |
採点 方式 | 固定配点 による 採点 | IRT方式 |
合格 基準 | 100点満点中 60点以上 | IRT方式による 評価による |
難易度の変化 | ー | 午前試験は不変、 午後試験は易しくなると思われる |
実施時期の変更
実施時期は通年実施に変更されます。
つまり試験センターで予約可能な日時を指定して、いつでも受験できるようになります。
変更前は上期と下期という特定期間だけの年2回の実施でした。
午前試験と午後試験の構成は変わらない
基本情報技術者試験は午前試験と午後試験の2つの試験で構成されています。
午前試験と午後試験の両方に合格すると基本情報技術者試験に合格となります。
午前試験にのみ合格した場合は、午前試験に合格した後1年間は午前試験が免除され、午後試験に合格すれば基本情報技術者試験に合格したこととなります。
また、試験はCBT(Computer Based Testing)で行われます。
CBTは全国各地のテストセンターで受けられる試験で、コンピュータの画面に表示される問題文と選択式のなかから正解を選ぶ形式の試験です。
以上の点は変更後も同じです。
名称だけ、午前試験はA試験、午後試験はB試験に変更されます。
試験時間と問題数の変更
試験時間と問題数は下記のように変更されます。
A試験(午前試験)
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
試験時間 | 150分 | 90分 |
問題数 | 80問 | 60問 |
1問あたりの時間 | 1分50秒 | 1分30秒 |
合格基準 | 100点満点中60点以上 | IRT方式による評価(後述) |
B試験(午後試験)
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
試験時間 | 150分 | 100分 |
問題数 | 5問 (※) | 20問 |
1問あたりの時間 | 30分 | 5分 |
合格基準 | 100点満点中60点以上 | IRT方式による評価(後述) |
(※)11問のうちから5問選択します。1つの問の中に数個の設問があります。
出題範囲の変更
出題範囲は下記のように変更されます。
A試験(午前試験)
A試験(午前試験)の出題範囲は従来の午前試験と変更なしです。
B試験(午後試験)
一方で、B試験(午後試験)の出題範囲は大きく変更されます。
以下は、変更前の出題範囲です。
変更前の出題範囲
問番号 | 出題範囲 | 選択形式 | 配点 |
---|---|---|---|
問1 | 情報セキュリティ | 必須選択 | 20点 |
問2~問5 | テクノロジ系 ・ソフトウェア・ハードウェア ・データベース ・ネットワーク ・ソフトウェア設計 から3問、 マネジメント系 ・プロジェクトマネジメント ・サービスマネジメント と、ストラテジ系 ・システム戦略 ・経営戦略・企業と法務 から1問の、合計4問が出題される | 問2~問5のうち 2問を選択 | 30点 (15点×2問) |
問6 | データ構造及びアルゴリズム | 必須選択 | 25点 |
問7~問11 | ソフトウェア開発 (プログラム言語問題) | 問7~問11 ・C言語 ・Java ・Python ・アセンブラ ・表計算 の5問のうち 1問を選択 | 25点 |
問1~問11のうち5問を選択して解答します。
※問1と問6は必須選択、問2~問5のうち2問を選択、問7~問11のうち1問を選択、合計5問を選択して解答します。
以下は、変更後の出題範囲です。
変更後の出題範囲
出題範囲 | 選択形式 | 配点 |
---|---|---|
情報セキュリティ | 4問出題。 全問必須選択。 | IRT方式 (後述) |
アルゴリズムと プログラミング | 16問出題。 全問必須選択 | IRT方式 (後述) |
出題範囲は「情報セキュリティ」と「アルゴリズムとプログラミング」のみになります。
変更前のソフトウェア開発(いわゆるプログラム言語問題(C言語、Java、Pythin、アセンブラ、表計算))の出題は廃止となりました。
そのかわり、「アルゴリズムとプログラミング」の分野で試験用の疑似言語による出題がされます。
試験用の疑似言語について気になる方は、試験を主催するIPA (情報処理推進機構)よりサンプル問題が公表されているので参照ください。
サンプル問題
採点方式の変更
採点方式にも変更があります。
変更前は、各問に対して固定の配点があり100点満点中60点以上の得点で合格となりました。
変更後は、IRT(Item Response Theory)(項目応答理論)方式での採点となります。
IRT方式はTOEICなどでも採用されている採点方式で、各問題について固定の配点は決めず問題の難易度に応じて「等化」と言う調整により受験者の得点が調整される仕組みになっています。
IRT方式では他の受験者が間違いやすい難しい問題に正解する方が高く評価されるということが言われています。
このことから変更後は、他の受験者が容易に正解するような簡単な問題を可能な限り速く解き、他の受験者が間違いやすい難しい問題にしっかりと取り組む時間を確保するということが大切になると考えられます。
難易度はどう変わるか
A試験(午前試験)
A試験(午前試験)は出題範囲に変更がないことから難易度に大きな変化はないと考えられます。
1問あたりにかけられる時間が1分50秒から1分30秒に短くなることや、採点方式がIRT方式になることから、簡単な問題を可能な限り速く解き、難しい問題にしっかりと取り組む時間を確保することが大切であると思われます。
IRT方式では簡単な問題に正解することより難しい問題に正解する事の方が高く評価されると言われているためです。
B試験(午後試験)
B試験(午後試験)は出題範囲が狭くなることから試験対策はしやすくなるのではないかと考えます。
テクノロジ系、マネジメント系、ストラテジ系の選択問題が廃止となっただけでなく、
これまで、プログラミング経験のない方にとって難関であったソフトウェア開発( C 言語、 Java 、 Python 、アセンブラ、表計算)の問題が廃止されるためです。
問題の難易度としても、IPA公表のサンプル問題を見る限り易しくなると考えられます。
変更前の午後試験では5つの問に解答する必要があり、1問あたりにかけられる時間は30分でした。
1問あたりの時間は余裕があるように見えますが、問題文が長文で1問のなかのいくつかの設問に解答する必要があり、難易度は高いものとなっていました。
変更後のB試験(午後試験)では20の問に解答する必要があり、1問あたりにかけられる時間は5分です。
1問あたりの時間に余裕がないように見えますが、その分1問1問の問題文は短くなっており、また、1つ前の問の解答が、次の問の解答の前提になるといったこともないため、難易度は易しくなるのではないかと予想されます。
一方で、マネジメント系、ストラテジ系の問題が廃止となるため、プログラミング未経験の方など、マネジメント系、ストラテジ系の問題を得点源とされていたかたは、この点においては不利となります。
ただ、ソフトウェア開発(いわゆるプログラム言語問題)の出題が廃止されることの利点の方が大きいと私は考えます。
ソフトウェア開発(いわゆるプログラム言語問題)の代わりに「アルゴリズムとプログラミング」の分野で試験用の疑似言語による出題がされますが、ソフトウェア開発で出題されるC言語、Java、Pythonといった言語を1から学習するより、「試験用の疑似言語」の学習をする方がはるかに楽だと考えられるからです。
ただし、現在は過渡期であることから、変更後の試験内容に対応した市販の試験対策テキストが充実していない点には注意が必要です。
まとめ
今回は、基本情報技術者試験の変更内容を紹介しました。
変更前と変更後のどちらで受験しようか悩んでいるかたは是非参考にしてみてください!
この記事のまとめ
変更前 | 変更後 | |
---|---|---|
実施 時期 | 下期と上期の 年2回 | 通年 |
試験の形式 | CBT | 変更なし |
試験 の構成 | 午前試験と 午後試験の 構成 | 変更なし |
午前 試験の 名称 | 午前試験 | A試験 |
午前 試験の 時間 | 150分 | 90分 |
午前 試験の 問題数 | 80問 | 60問 |
午前 試験の 1問あたりの 時間 | 1分50秒 | 1分30秒 |
午前 試験の出題 範囲 | ー | 変更なし |
午後 試験の 名称 | 午後試験 | B試験 |
午後 試験の 時間 | 150分 | 100分 |
午後 試験の 問題数 | 5問 | 20問 |
午後 試験の 1問あたりの 時間 | 30分 | 5分 |
午後 試験の 出題 範囲 | ・情報セキュリティ ・ソフトウェア、ハードウェア ・データベース ・ネットワーク ・ソフトウェア設計 ・プロジェクトマネジメント ・サービスマネジメント ・システム戦略 ・経営戦略、企業と法務 ・データ構造及びアルゴリズム ・ソフトウェア開発 | ・情報セキュリティ ・アルゴリズムとプログラミング |
採点 方式 | 固定配点 による 採点 | IRT方式 |
合格 基準 | 100点満点中 60点以上 | IRT方式による 評価による |
難易度の変化 | ー | 午前試験は不変、 午後試験は易しくなると思われる |
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